15 February 2018

GCのゲームをWii(とvWii)からバックアップ起動する

event_noteFebruary 15, 2018

 この記事では、Wiiを使って、ゲームキューブのゲームディスクからデータを吸出し、SDカードやUSBメモリ(またはUSB接続の外付けHDD)からバックアップ起動する手順について紹介します。WiiUのWiiモードからも(もちろん任天堂のサポート外ではありますが)、SDカードやUSBへとバックアップしたGCのゲームデータを起動させることが可能です。

 ただし、WiiUではGCのゲームディスクを吸い出すことはできません(WiiUではGCのディスクにはハード的には一切対応していないため)。

 なお、現在WiiUが手元になく、WiiUからのGCのバックアップ起動については、詳しく書くことができない状態です。

必要なもの

・HomeBrewChannelがインストールされているWii
(HomeBrewChannelの導入方法については検索されるか、もしくはこちら)

・SDカード(原則、最大32GBまでのものが使用可能です) [FAT32形式でフォーマットされたもののみ]

・(使いたい場合は、)USBメモリやUSB接続の外付けHDD ※1 (吸出し作業はNTFS形式でフォーマットされたものでも可能ですが、バックアップ起動を行うGCのローダーはFAT32形式にしか対応していません)

※1:  WiiUではWiiモードでないときにUSBストレージを刺していた場合、そのUSBストレージをWiiU専用形式にフォーマットするかどうかを尋ねられるようです。WiiU専用形式にフォーマットすると、そのWiiUの内部容量を増やすことはできますが、そのUSBストレージにWiiU以外のデータを入れることができなくなるため、GCのバックアップデータを起動させるためには、WiiU専用形式にフォーマットされていないUSBストレージが必要となります。
もしもWiiU専用形式でフォーマットしたUSBしかないという方は、こちら を試してみるのも一興かもしれません。詳しくは分かりませんが...
また、WiiUではWiiよりも、USBへの電源供給が弱く、Wiiでは問題なく使用できていたUSB接続の外付けHDDであっても、USB口をダブルで接続したり、外部から電源を供給しなければ、USB HDDがWiiUに認識されない、ということがあるようです。


***以下はWiiのHomeBrewChannelから実行するapps***
(下記のリンクからダウンロードください)


・CleanRip v2.0.0
https://web.archive.org/web/20160528223431/http://static.wiidatabase.de/CleanRip.zip
・Nintendont
https://wiidatabase.de/wii-u-vwii-downloads/hacks/nintendont-gamecube-spiele/

***以下はWindows上で実行するプログラム***


・Gamecube ISO Tool
https://web.archive.org/web/20180210035122/https://us.softpedia-secure-download.com/dl/26a96d88e38ed104f58f8f3dd4c105a9/5a7e6bdf/200134895/games/tools/gcit_Win32_Build7.zip

手順

 CleanRip.zipとNintendont.zipを解凍し、中にある、それぞれのappsフォルダをSDカードの一番上の階層に配置してください。

 まずは、ゲームキューブのディスクのバックアップ(吸出し)から行っていきます。
GCのゲームディスクの容量はほとんどのものが約1.4GBですので、沢山バックアップしたい場合は、SDカードやUSBにそれなりの空き容量が必要になります。(使われていない、ダミーデータ部分を取り除いて容量を縮減することも可能です。それについてはすぐ後に)

 WiiのHomeBrewChannelからCleanRipを起動します(USBを吸い出し先とする場合はあらかじめWiiと接続しておいてください)。

 使い方はWiiのディスクの時とほとんど変わりません。過去記事も参照下さい。

 吸出しが完了したら、SDカード、もしくはUSBストレージの一番上の階層に、[*ゲームデータID*].isoというファイルが作成されているはず。それがバックアップしたGCのゲームのデータです。([*ゲームデータID*].bca、[*ゲームデータID*]-dumpinfo.txt というファイルについては特に使わないので削除しても構いません)

 このISOファイルを、SDカードかFAT32形式でフォーマットしてあるUSBストレージの、一番上の階層に”games”という名前のフォルダを作成し、その中に配置すれば、バックアップ起動が可能になります。大容量USBストレージを使っていて、容量に余裕がある場合はこれでOKですが、ここでは、先ほど述べたisoデータの容量縮減についても見ていきます。

 

GCのisoデータの容量を縮減する

 gcit_Win32_Build7.zipを解凍し、gcit.exeを実行。File>Open ISOから先ほどバックアップした、ISOファイルを読み込みます。

 保存ボタンを押して、保存先を指定。ISOの使われていないデータ部分がトリミングされ、"ゲーム名[ゲームID].iso"というファイルが作成されます。

 作成された"ゲーム名[ゲームID].iso"を、SDカード もしくは FAT32形式でフォーマットしてあるUSBストレージの一番上の階層に”games”という名前のフォルダを作成し、その中に配置すれば、バックアップ起動の準備は完了です。

 

GCのゲームをバックアップ起動

WiiのHomeBrewChannelからNintendontを起動します。SDカードかUSBストレージ、”games”フォルダを作成し起動したいゲームが入っている方を選択。

 "games"フォルダの中に入っているソフトが一覧表示されます(このとき、ソフト名が日本名でなく英名になってしまうのが、少し残念な点でしょうか)。起動したいものを十字キーで選択しAボタンで起動します。

 NintendontではGCのコントローラーの他に、色々使うことができるようです。Wiiのコントローラならば、Wiiリモコン+ヌンチャク(ヌンチャク右傾けでRボタン、左傾けでLボタン、Cボタンを押しながらヌンチャク傾けでCスティックの役割)、Wiiリモコン+クラシックコントローラが使用できます。(WiiUでNintendontを使う場合は、WiiUのスマブラ用接続タップ+GCコントローラでも遊べるようです)

 ソフトが一覧表示されている画面でBボタンを押すことで入ることのできる設定画面の項目についても必要だと思われるものだけ見ていきたいと思います。

 この画面では十字キーの上下で項目の選択、十字キーの左右で項目のOn/Offなどを設定します。Bボタンを押すと設定を保存してゲームリストに戻ります。

 赤枠で示した、"Memcard Emulation"がOffの時は、WiiにさしたGCのメモリーカードからセーブデータが読み込まれます。OnにするとSDカードの一番上の階層に"saves"フォルダが作成され、その中に[ゲームID].rawという形でセーブデータが保存されます。Onにしておけば、メモリーカードを持っていなくても、SDカードさえあればGCのゲームのセーブデータ保存ができるので大変便利です。メモリーカードをさすところのないWiiUでは、セーブして楽しむゲームの場合On必須です。
ちなみに、マリパ6・7 などのゲームに対応しているGCマイクは"Memcard Emulation"をOnにすると使用できませんでした。

 また、"Memcard Blocks"については、基本的にはデフォルトの251で問題ないはずですが、一部GCのソフトには"メモリーカード59"にしか対応していないものがあるようなので、そのソフトを起動する際にはその前に"59"にしておいた方が良いと思います(一度でもOnにした状態でそのゲームを起動するとその時設定されていたブロック数でメモカのデータが作成されてしまうので)。

 青枠で示した"Native Control"をOnにすると、ゲームボーイアドバンスとGCを接続できるケーブルが、バックアップ起動であっても使えるようになります(ただし、WiiUでは使えません)。
Offの時には、GCコン以外のコントローラーでも遊べるようになるほか、GCコンで特殊なコマンドも使えます。GCコンのR+Z+B+Startボタン同時押しでゲームのリセット、R+Z+B+十字キー下 ボタン同時押しでHomeBrewChannelに戻る というものです。

補足:実機のメモリーカードのセーブデータをNintendontでも使う

GCMM というhomebrewアプリを使えばGCのメモリーカードの中のセーブデータをSDカード等にバックアップすることが可能です。

GCMM.zipを解凍し、その中のappsフォルダを、SDカードの一番上の階層に配置してHomeBrewChannelから起動。

実機のメモリーカードのデータのバックアップ先を指定。SDカードならAボタン。FAT32でフォーマットしたUSBならばBボタン。

 ここからはボタン選択は慎重に…今回は、メモリーカードを丸ごとバックアップすることにしたいと思います。GCコンならば、LボタンとYボタンを同時押し、WiiリモコンならばBボタンとマイナスボタンを同時押し。

 バックアップしたいメモリーカードがささっているスロットをAかBで選択するとバックアップが始まります。SDかUSBの一番上の階層に"MCBACKUP"というフォルダが作成され、その中にバックアップしたデータが保存されます。

 バックアップしたセーブデータを、NintendontからSDカードに作成された仮想メモリーカードデータと入れ替えれば、Nintendontからそのセーブデータで遊べます。Nintendontで作成された仮想メモリーカードのセーブデータは、"Memcard Emulation"をOnにして一度でもそのゲームで遊んでいれば、SDの一番上の階層の"saves"フォルダ内に"[ゲームID].raw"という形で保存されています。その際、一番手軽なのは、先ほどバックアップした"MCBACKUP"内の、"[日付].raw"ファイルをコピーし、"saves"フォルダに入っているお目当ての[ゲームID]のゲームのセーブファイル(rawファイル)と入れ替え、[ゲームID].rawというファイル名にリネームするという方法なのではないかなぁ...と思います。

 ちなみにrawファイルの中身の整理は、Dolphin というPC向けのGC・Wiiエミュレーターに搭載されたツールから行うことができます。